高脂肪食餌と同時に小豆ポリフェノール(APP)飲料を7週間与えた雌マウスの肝臓障害はほとんど認められず,糞重量にもコントロールとの差は認められなかった.しかし,APP飲料を7週間与えた雌マウスの体重は,コントロールよりも有意に低く,特に卵巣周囲の脂肪重量が顕著に低かった.また,APP飲料を与えた雌マウスの糞に含まれる脂肪含量がコントロールよりも有意に高く,糞中への脂肪排泄が示された.また, in vitro 実験により,APPの濃度に依存した膵リパーゼ活性の抑制作用が認められ,活性阻害のIC50は38.0ppmであった.これらの結果より,長期間,高脂肪食餌と同時にAPP飲料を雌マウスに与えると,APPが膵リパーゼ活性を抑制することにより食餌性脂肪の消化・吸収を抑制し,脂肪が糞中に排泄されて,体重増加の抑制が起きていると推定した.