種々のがん細胞株の増殖に及ぼすスサビノリ水溶性低分子画分(WS-LMF)の影響について検討し,ヒト白血病細胞株HL-60およびマウス黒色腫細胞株B16細胞に対して増殖抑制効果を発現することを見いだした.WS-LMFは培地中の濃度15μg/mL以上で濃度依存的にHL-60細胞の増殖を抑制し,1000μg/mLの高濃度では細胞毒性を示した. WS-LMF中の細胞増殖抑制作用は,メタノール可溶性画分と不溶性画分の両方に認められ,その効果はメタノール不溶性画分により強く認められた.これらの結果は,WS-LMF中には性質の異なる複数のHL-60細胞増殖抑制因子が含まれることを示唆していた.