加齢に伴う学習・記憶能力の低下,行動や外観の変化,生殖・繁殖能力の低下に対するDNAの効果を評価するため,2ケ月齢の老化促進モデルマウス雌雄14匹に0.1%(w/w)DNAを配合した飼料を10ケ月間投与した.その結果,DNA投与群において学習・記憶能力の低下及び老化による行動や外観の変化が有意に抑制された.さらに,DNAの投与によりマウスの生殖・繁殖能力が向上した.マウス肝臓中のSOD活性及びCAT活性がDNA投与群で有意に高かったことから,抗酸化活性がマウスの老化現象の進行の抑制に関与したと考えられた.これらの結果から,DNAの摂取は高齢者における脳の健康状態の維持,及び行動,外観,生殖機能の維持に有用であることが期待された.