DNA-Na錠のアルコール代謝に対する影響について,健常な成人男性5名を対象としてアルコール負荷試験を行い,血中エタノール,アセトアルデヒドおよび酢酸濃度に対して統計解析を行った.その結果,血中エタノール濃度の動態は,両群において差異は認められず,DNA-Na錠を摂取することにより,アルコールの吸収阻害は生じていないと考えられた.またDNA-Na錠摂取群において,飲酒による紅潮,悪心の原因物質である血中のアセトアルデヒド濃度は,プラセボ錠摂取群と比較して有意な低値を示した.その代謝メカニズムについて,ラット肝ホモジネートを用いた in vitro 評価系にて検討を行ったところ,DNA-Naが代謝,吸収されてヌクレオシド源となり,アセトアルデヒドから酢酸への代謝における補酵素ニコチンアミドアデニンヌクレオチド(NAD)の酸化-還元反応のサイクルに関与しているものと推察された.したがって,サケ白子由来DNA-Naは,悪酔い防止に役立つと期待される.