16種類の市販茶(アマランサス,ウラジロガシ,カキドオシ,ギムネマ,クマザサ,シジュウム,タヒボ,科不明甜茶,バラ科甜茶,ドクダミ,杜仲茶,ハトムギ,ビワ茶,ヨモギ,緑茶,ルイボスティー)抽出物の抗アレルギー効果をラット腹腔細胞からのロイコトリエンB4 (LTB4)放出抑制作用を指標として検討した.LTB4は5-リポキシゲナーゼの酸化作用により生成することから,茶類の抗酸化成分として知られている総ポリフェノール量,フラボノール量,タンニン量を測定した.また,抗酸化性としてDPPHラジカル消去活性を調べ,LTB4放出抑制作用とポリフェノール類含量,DPPHラジカル消去活性の相関を解析した.総ポリフェノール量はシジュウム,バラ科甜茶,ルイボスティー,ウラジロガシ,緑茶,市販甜茶,ビワ茶抽出物に多く含まれていた.フラボノール量はシジュウム抽出物に,タンニンはバラ科甜茶とシジュウム抽出物に特に多く含まれていた.LTB4の放出については緑茶およびバラ科甜茶抽出物はほぼ完全にLTB4放出を抑制し,カキドオシ,シジュウム,ウラジロガシ抽出物はLTB4放出量を50%以下に抑制した.LTB4相対放出量とDPPHラジカル消去活性,ポリフェノール類含量との相関を解析した結果,LTB4相対放出量とDPPHラジカル消去活性および総ポリフェノール量には強い負の相関があり,LTB4放出抑制作用があった茶抽出物ではその相関がさらに強くなった.これらの結果は,LTB4放出抑制作用における茶ポリフェノールの重要性を示唆するものであり,その作用機構の一つとしてアラキドン酸ペルオキシラジカルの消去が考えられる.