Aspergillus niger を種々の温度条件(18℃~35℃)のもとPDA培地で成長させ,その菌糸マット径と分生子発芽円径(分生子形成部径)の経時変化を計測した.得られたそれぞれの測定温度での測定値をmodified Logistic,modified Gompertz,Weibullモデルを用いて近似した結果,Weibullモデルが最良の結果を示した.次に,Weibullモデルのパラメータを温度の関数とし,温度変化に対応出来る新Weibullモデルを構築した結果,計算値は各温度での測定値(18℃~35℃)を良く表現した.これより,新Weibullモデルを用いて温度変動条件(温度範囲20℃~30℃)下での A. niger の菌糸マット径・分生子形成部径の経時変化を計測し,測定値と計算値を比較したところ良好な近似を得た. 本報は,カビについては初めての知見であり,今後更に広い温度範囲で測定を行い,温度変動環境下でのカビの制御やカビを用いた発酵に応用したい.