あらかじめ含水率1.0(d.b. decimal)まで水分を調整したダイコンを熱風,真空およびマイクロ波により乾燥し,乾燥特性,物理的性質および色彩について検討したところ,以下の知見が得られた. (1)ダイコンの含水率変化は指数モデルが適用でき,含水率1.0(d.b. decimal)以下の範囲におけるダイコンの乾燥は,いずれの乾燥方法においても減率乾燥第一段にあることが示された. (2)マイクロ波乾燥における乾燥速度定数は,熱風乾燥と比べて8.7倍,真空乾燥と比べても6.8倍となった.これより,含水率1.0(d.b. decimal)以下の範囲における乾燥末期においてマイクロ波乾燥を適用することで,熱風乾燥,真空乾燥などの直接加熱乾燥法と比べて6-9倍程度乾燥を促進できることが示唆された. (3)乾燥過程に影響を及ぼす試料の硬度,表面積および空隙率といった試料の形状変化について調査したところ,マイクロ波乾燥において内部空隙の増加,硬度の減少および表面積比の増加が観察された. (4)試料色彩を測定し,その値から色差 ΔE を算出したところ,マイクロ波乾燥を用いることにより,色彩の変化を抑制できる可能性が示された.