山形県にて栽培されている食用キク,4栽培品種(イワカゼ,コトブキ,モッテノホカ(黄色花弁),モッテノホカ(紫色花弁))について,主要なフラボノイドを定量するとともに,その成分組成とDPPHラジカル消去活性との関係を明らかにした. 食用キクのフラボノイド構成は品種により大きく異なっていた.また,ポリフェノール画分のラジカル消去活性はモッテノホカ(黄色花弁)において最も強く,次いでコトブキ,イワカゼ,モッテノホカ(紫色花弁)における順であった.いずれの食用キクにもルテオリン7- O -(6″- O -マロニル)-グルコシド,アピゲニン7- O -グルコシド,アピゲニン7- O -(6″- O -マロニル)-グルコシド,アカセチン7- O -(6″- O -マロニル)-グルコシドが含まれていたが,このうち,最も強いラジカル消去活性を示すルテオリン7- O -(6″- O -マロニル)-グルコシドはモッテノホカ(黄色花弁)において最も含有量が高く,次いで,コトブキ,イワカゼ,モッテノホカ(紫色花弁)の順で高い値を示した.一方,ラジカル消去活性の弱いアカセチン7- O -(6″- O -マロニル)-グルコシドおよびアピゲニン7- O -(6″- O -マロニル)-グルコシド含有量はそれぞれ,イワカゼ,モッテノホカ(紫色花弁)において高い値を示した.