無機元素分析によるアスパラガスの産地判別の可能性を検討した.日本産及び外国産のアスパラガス64点について,13元素(Mg,Al,Ca,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Rb,Sr,Mo及びBa)をICP-MSにより定量した.分析値の主成分分析から分布に産地ごとの傾向が認められた.さらに後進ステップワイズ法により選択した6元素(Co,Sr,Ca,Rb,Mo及びCu)の濃度を用い,日本産と外国産を判別する線型判別関数を構築した.線形判別関数の有効性についてクロスバリデーション法により検証したところ,日本産97%及び外国産90%の的中率を示し,産地判別の可能性が示唆された.