ジャガイモの各種加熱処理(過熱水蒸気,微細水滴を含んだ過熱水蒸気,高温空気および茹で加熱)における主要なポリフェノール化合物の変動を追跡した.ジャガイモの調理加熱中のポリフェノール化合物の保持には品温の履歴が大きく関与していた.また,ジャガイモ組織においてポリフェノール化合物は60℃付近から80℃付近で顕著に減少し,これはPPOとの反応によると考えられた.ジャガイモのポリフェノール化合物濃度およびPPO活性の高い部分は表層部に偏っており,ジャガイモの調理加熱において表層部の温度を速やかに80℃以上まで上昇させることでポリフェノール化合物を高く保持できることが示唆された.