比重の異なるジャガイモの生鮮時および蒸煮後のペクチン量とペクチンの分解に関与するPG活性量について検討を行った.内在する酵素の作用を阻害するために1m M HgCl2溶液にて処理し,蒸煮後の残存乾物重量を測定したところ,未処理よりも煮崩れの度合いが小さくなった.また,蒸煮後のジャガイモの硬さとペクチンの減少率およびPG活性量に高い相関性を確認した.精製酵素を低比重試料に作用し蒸煮したところ,ペクチンの分解率が増大し,蒸煮後の硬さが低下した. 本研究により,比重によって異なる内在PG活性量の加熱過程中における作用がペクチンを分解し,細胞間の接着性の違いが,ジャガイモの煮崩れに影響を及ぼすことが明らかになった.