降圧作用を有する鶏コラーゲン加水分解物(C-COP)を健常人に摂取させ,C-COPの血中動態およびアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性との関連性について検討した. 体重60kgあたり25gのC-COPをヒトに単回摂取させた場合,血中に遊離ヒドロキプロリン(Hyp)とともに,ペプチド型のHypも確認された.血中のペプチド型Hyp量は,2時間後(91.1μmol/L)に最大となった.摂取2時間後の血中からPro-Hyp, Leu-Hyp, Pro-Hyp-Gly, Phe-Hyp, Ala-Hyp, Hyp-Gly, Glu-Hyp-Gly, Ala-Hyp-Gly, Ser-Hyp-GlyのHyp含むペプチドが確認された.血中ペプチドは,ACEに対する阻害活性を有しており,Ala-Hyp(IC50 : 0.177mmol/L)の活性がもっとも高かった.以上より,C-COPの降圧作用は,血中ペプチドによるACE阻害が作用機序であると考えられた.