豆乳にNaClを添加することによるゆば膜形成および品質に与える影響について検討した.NaCl(0.05∼0.2M)添加によって,ゆば膜重量は増加した.増加には水分増加が大きく寄与し,NaClの添加によってゆば膜の保水性が高まった.非加熱豆乳ではNaCl添加で粒子径に変化は見られなかったが,加熱豆乳では粒子径が大きくなった.豆乳のタンパク質表面疎水性度およびSH基量は,NaCl添加によって増加傾向を示した.官能評価では,色と味については0.05M NaCl添加ゆば膜の方が好まれる傾向にあった.品質評価においても,NaCl添加ゆばは力学的に丈夫になり,また色の白いゆば膜となった.0.05M NaCl添加はゆばの品質向上に寄与していることが明らかとなった.