アシタバ中に豊富に含まれるカルコンである4HDによる抗糖尿病作用をさらに解析するために,すでに糖尿病を発症し高血糖を呈したKK-Ayマウスに投与することで血糖値低下作用がみられるかどうか,また,そのグルコース取り込み促進活性のカギとなる構造について種々のカルコンを用いて検討した. 4HDは高血糖状態にあるKK-Ayマウスに対しても血糖値低下作用が認められた.インスリン抵抗性の病態を示す状態であっても効果が確認できたことより,インスリンとは異なる経路でグルコース取り込み促進作用を発揮し,血糖値の低下につながったことが示唆された.また,種々のカルコンによるグルコース取り込み促進活性を測定したところ,A環4′位がメトキシ基,3′位がプレニル基などの比較的大きな置換基であることが必須であることが示された.XA, 4HDについでアシタバ中に含有量の多いXA-Fについても,4HDと同等以上の活性が認められ,アシタバの抗糖尿病活性に貢献していることが示唆された.