ESR法は,信号強度が線量に依存して増大した.線量に対する信号強度すなわちラジカル量の増加率を検討することで検知法として利用できる可能性が示唆された. 照射ニンニクのPSL測定により得られた発光増加量および発光積算量は,照射前の値より大きくなった.発光積算量を用いることで照射判別法として利用できる可能性が示唆された.50Gy以上の検知法を確立するとしても,今後,来歴の異なる複数ロットのニンニクについて測定を行い,非照射ニンニクと照射ニンニクの値の判別基準を設定することで実用化が可能であると考えた. TL法は照射処理直後および周年供給を想定した1年後の照射ニンニクでの検討を行った.貯蔵期間に関わらず発光極大温度は照射ニンニクで173~189℃,非照射ニンニクは284~301℃を示し,照射の判別が可能であった.狭い温度範囲(150~250℃)で算出したTL比により,照射の判別がより明確になることがわかった.TL法による照射ニンニクの検知は,TL比と発光極大温度により実用的な検知法として照射の有無の判別が可能であると結論した.