実機規模での抽出・素材化することを想定し,ラボ規模での合成吸着剤の選定,ポリフェノール負荷量の検討および実機規模の製造試験を行った. ラボ規模で,合成吸着剤の吸着・溶出条件を検討した.最も吸着能の高い合成吸着剤はSP207であった. ラボ試験の結果を基に実機規模の素材化工程を構築した.この方法ではサツマイモ茎葉100kgから乾燥粉末219gを回収できると示唆された.乾燥粉末のポリフェノール含量は,169g ChA相当量であり,抽出液に対する収率は,34.1%であった.乾燥粉末中に,49.9%のカフェ酸誘導体が含まれていた.カフェ酸誘導体は3,4-diCQA, 3,5-diCQA, 4,5-diCQAの順に多く,ジカフェオイルキナ酸が77.5%を占めた.含量は少ないもののトリカフェオイルキナ酸も認められた.乾燥粉末のDPPHラジカル消去活性は1.91mmol/g乾物重であり,ChAに対する相対活性は75.2%であった. 以上のことより,サツマイモ茎葉から,高い機能性を有するポリフェノール粉末を実機規模で製造できることを明らかにした.