(1) 少量のモモ果皮から主要アレルゲンPru p3を抽出する方法として,高速振盪機を使用した抽出方法を検討した.5gの果皮を20mmol/Lのアスコルビン酸ナトリウムを含有するpH 5のクエン酸-リン酸緩衝液10ml中で10分間振盪をおこなうと,夾雑物の影響が少ない状態でタンパク質が抽出され,N末端アミノ酸解析に十分なPru p3が得られた. (2) モモ果皮からmRNAを取得することを目的に,全RNAの抽出をSDS-フェノール法で行った.その後キットを用いてmRNAを精製したところ,5gの試料から抽出した場合は8.75μgのmRNAが得られることがわかった.mRNAからcDNAを合成し,cDNAを鋳型にしたRT-PCRにより,Pru p3の遺伝子発現が確認した.