調理用トマトの乾燥およびブランチングにマイクロ波を適用しその乾燥特性およびブランチングにおける酵素活性,品質変化を調査したところ,以下の知見が得られた. (1) 調理用トマトの乾燥へマイクロ波を適用したところ,照射前の熱風乾燥と比べて,マイクロ波照射開始から乾燥速度が増大し,高出力であるほど乾燥時間は短縮された. (2) 調理用トマトの含水率変化には,各出力において指数モデルが適用でき,含水率0.5 (d.b. decimal)以下の範囲においては減率乾燥第一段にあることが示された. (3) 熱風乾燥において明度が減少したが,マイクロ波を照射することで明度が増加する傾向が見られた.マイクロ波照射においては,各出力において,どの含水率の段階からの照射でも色彩変化は同様であり,照射時間の延長が色彩へ与える影響はほとんど無いことが示唆された. (4) 調理用トマトのブランチングにマイクロ波を適用することで,熱湯浸漬と比較し酵素の失活までに要する時間が短縮され,アスコルビン酸およびリコピン含有量,色彩等の品質変化を抑制できた.