精白したキビ,ヒエ,および殻を除いたハトムギ種子粉砕物20% (w/w)を添加した飼料を2型糖尿病モデルマウス( db/db )に21日間摂食させ,糖尿病パラメータに及ぼす影響を調査した. (1)キビおよびヒエ摂食群では全血のHbA1c濃度が低下し,糖質代謝改善作用が認められ,ヒエおよびハトムギ摂食群では肝臓コレステロールが低下し,脂質代謝改善作用が認められるなど,雑穀により摂取した場合の生体内機能が異なることが示唆された. (2)ヒエおよびハトムギ摂食群では糞中胆汁酸量が増加しており,また肝臓におけるCYP7A1遺伝子の発現量が増加した.従って,これら穀類の摂取による胆汁酸の糞への排泄増加および胆汁酸合成の促進が,肝臓コレステロール低減に寄与していることが示唆された. (3)血漿·肝臓のTBARS濃度は,いずれの雑穀の摂食によってもコントロール群との間に変化は認められなかった. 以上の結果から,キビやヒエでは高血糖抑制作用,ヒエやハトムギでは脂質代謝改善作用など,雑穀は日常的に摂取することにより,生体内機能が期待できる食品であることが示された.