スモモとウメの種間雑種である‘紅の舞’の抗酸化性をDPPHラジカル消去活性,H-ORACで,ポリフェノール総量および組成をフォーリン-チオカルト法およびHPLC法,また,アンジオテンシンI変換酵素阻害活性および脱顆粒阻害活性について測定し,それらの活性を同じく種間雑種である‘李梅’,およびウメ2品種‘白加賀’, ‘南高’,スモモ‘ソルダム’と比較した.‘紅の舞’の抗酸化性は,DPPHラジカル消去活性が15.8-20.5μmol TE/g FW, H-ORAC値が57.0-61.7μmol TE/g FWであり,‘李梅’と同程度,それ以外の品種より高かった.これら種間雑種に見られる高い抗酸化性は,エピカテキン含量がウメよりも高いこと,またアントシアニンが含まれていることに起因すると推察された.また,‘紅の舞’では成熟に伴い他品種と同様にエピカテキン含量は減少するものの,抗酸化性の高いアントシアニン含量が増加することから,抗酸化性が維持されたと考えられた.評価した2種類の抗酸化性測定値は,いずれも総ポリフェノール含量と高い相関( r =0.988)を示した.ACE阻害活性は,‘紅の舞’とそれ以外の品種に活性の差は認められず,脱顆粒抑制活性は,ウメよりも低かった