ニンニクの新たな処理法である高温高圧処理したニンニク(HTPG)を用い,1,2-ジメチルヒドラジン誘発ラット大腸前がん病変形成に対するポストイニシエーション期投与の影響を検討した.その結果,HTPGの3%混餌群では大腸前がん病変であるムチン枯渇巣(MDF)形成を有意に抑制した.また,血液学的および血漿生化学的所見ではHTPG投与による影響はほとんどみられなかった.我々はこれまでにHTPGがイニシエーション期投与によってもMDF形成を有意に抑制することや抗酸化能が増強することを報告しており,これらの結果と考え合わせるHTPGは健康食品素材として有用かもしれない.