ウズラ卵白オボムコイド(OM)を添加していないコントロール飼料と,飼料100g中にOMを1%含有するOM飼料,1% OMと同等のインヒビター活性を有する量のウズラ卵白を含むEW飼料を作製し,ラットにそれぞれの試験食を3週間摂取させた. 試験食終了時の解剖前に,小型動物用X線CT装置にて撮影を行い,体脂肪の比較を行った.その後解剖を行い血液,肝臓,膵臓を採取した.摂食期間中の体重,摂食量の増減の記録,また解剖時得られた血液,肝臓の脂質成分の定量,肝臓,膵臓の臓器重量,タンパク質量,各種酵素活性の測定を行った. CT撮影の結果,皮下脂肪量においてコントロール群よりOM, EW両群で有意な低下を示した.また脂肪率,内臓脂肪量においてはコントロール群よりOM, EW両群で減少傾向にあった.さらにOM, EW群はコントロール群と比較して,膵臓重量,膵タンパク質量,膵酵素活性において有意な上昇が見られた.しかし,血漿の脂質成分分析結果は異なるものであった.したがって,OMは卵白タンパク質の脂質代謝改善作用の全てではなく,一部のみを担うことが示された.