国産菜種油を揚げ調理に用いた場合の調理特性の比較を行った. キャノーラ油と比較して,国産菜種油は精製度が低かった.また国産菜種油は青臭さ,香ばしさが強く,総合的なフレーバー強度が高かった.180分間揚げ加熱を行った後のフレーバーは,キャノーラ油の場合に総合的に強度が高くなったのに対し,国産菜種油ではほとんど変化が見られなかった.劣化の判断は,風味点数を用いて行うことが可能であったが,実際よりも油が劣化していると判定されやすいことが明らかとなった. 揚げ種および油の官能評価については,キャノーラ油と比較してよい評価を得たものはなかった.しかし,焙煎された菜種油は色の官能評価が加熱回数とともに良くなり,またCV, PC, 粘度の上昇が抑制されることが示された.焙煎された国産菜種油は揚げ調理に用いた場合に性状変化しにくい油であることが明らかになった.