バイオフィルム量の経時変化の予測およびバイオフィルム量データの解析を目的とした決定論的および確率論的シミュレーションモデルを構築し,実測値とのフィッティング結果からモデルの妥当性について検討した. (1) モデルパラメータの値は,両モデルにおいて,細胞外多糖類による基質の濃縮,バイオフィルム内部の増殖速度の低下,貧栄養下におけるバイオフィルム形成能の向上といったバイオフィルムの特性をよく反映する値を示した. (2) 両モデルにおいて,高い精度でバイオフィルム量の経時変化を表現できた.また,確率論的モデルにおいて,高い精度でバイオフィルム量のばらつきを表現できた. 以上のことから,両モデルは,バイオフィルム量の経時変化の予測およびバイオフィルム量データの解析に有用であることが示された.