本研究では,生薬のI型アレルギー抑制作用を明らかにすることを目的として,83種類の生薬について脱顆粒抑制作用を検討した.試料は,一般的な服用方法である熱水抽出物とした.RBL-2H3を用いて,抗原架橋形成による脱顆粒を誘発し,生薬による抑制効果を検討したところ,30種類の生薬に有意な濃度依存性の脱顆粒抑制効果が認められた.なかでも,根・根茎由来の粉防己,狗背,遠志,また樹皮由来の肉桂が高い効果を示し,そのIC50値はそれぞれ79.1μg/ml, 187.6μg/ml, 288.1μg/mlおよび215.7μg/mlであった.