ガマズミ果実の搾汁残渣には高いラジカル消去活性を示すポリフェノールが残存しているが,それらは残渣全体に存在するのではなく,果肉皮に局在していることが明らかとなった.そこで,残渣から果肉皮を物理的かつ簡便に分離する技術を新たに開発し,果肉皮および果肉皮粉末を得ることに成功した.ラジカル消去活性は残渣<果肉皮<果肉皮粉末の順に高まり,この技術が抗酸化成分を含む部位を簡便に分離収集する方法として有益であることを実証した.また,果肉皮には抗酸化成分としてC3Sや5-CQA等が検出され,果肉皮粉末中の濃度は残渣の2.9~21.1倍に増大することを明らかにした.即ち,ガマズミ残渣のラジカル消去活性へのポリフェノールの関与を明らかにするとともに,これらが豊富に含まれる果肉皮の分離収集技術の有用性と,廃棄されていた残渣の抗酸化性素材としての有用性を明らかにした.