リンゴ果肉の熱風乾燥過程において,各種溶液を果肉表面へ散布処理した結果,以下の知見が得られた. (1) 散布処理を施すことで,試料内部の温度上昇および表面硬化が抑制された. (2) 熱風乾燥において散布処理を施すことで乾燥時間の短縮および乾燥速度の増大が確認された. (3) 散布処理を施しながら熱風乾燥した場合の試料の含水率変化は,減率乾燥第一段で適用される指数モデルで表すことが可能であった. (4) リンゴ果肉の熱風乾燥における褐変反応の速度論的解析の可能性が示唆された. (5) 褐変の抑制効果がある溶液を散布溶液として用いることで,褐変の抑制が可能となり,褐変反応において基質となる成分減少も抑制された.