溶液中のアントシアニンは,酸化などの要因によって分解される.そこで我々は,カシス飲料を二酸化炭素マイクロバブル処理することによって溶存酸素濃度を低減し,アントシアニン安定化について検討した. 加圧溶解方式により,カシス飲料を二酸化炭素マイクロバブル処理した.発生したバブルの気泡径は64μmであり,マイクロバブルが発生していることを確認した.一方,通常気泡処理によって発生したバブルの気泡径は562μmであった.溶存酸素濃度はマイクロバブル処理では急激に低下し,開始45分後に検出限界(0.1mg/L)以下に達した.一方,通常気泡処理では開始270分後においても3mg/Lであった. カシス飲料をビンに封入し,37°Cで28日間保存した.アントシアニン量を測定したところ,通常気泡処理やコントロールと比較して,マイクロバブル処理ではアントシアニン残存率は有意に高かった.この結果から,カシス飲料のマイクロバブル処理は,アントシアニンの安定化に有効であることが示唆された.