大麦若葉末の高コレステロール血症に対する影響を動物試験および臨床試験で確認した. 動物試験では,大麦若葉末の高コレステロール血症モデルラットへの影響を検証するため,動物を普通食群,コレステロール食群,また,コレステロール食に大麦若葉末を4%混餌した大麦若葉末群の3群に分け,4週間の各試験食を摂取させた.その結果,大麦若葉末群では,摂取4週間後においてコレステロール食群と比較して血中総コレステロール値(TC)および血中LDLコレステロール値(LDL-C)で有意な低下を示した.また,臨床試験では,15名を対象に大麦若葉末含有飲料の摂取による血中コレステロール値に対する影響を確認した.1名を解析から除外し,被験者14名を解析の対象とした結果,TCでは摂取8週間後および摂取12週間後に,LDL-Cでは摂取12週間後において有意な低下が認められた. また, in vitro で胆汁酸吸着能を測定した結果,大麦若葉末は胆汁酸に対して強い吸着能を有することが認められ,また,食物繊維を含む大麦若葉末ヘキサン抽出残渣に強い胆汁酸吸着能があることが確認された. 以上の結果から,大麦若葉末は高コレステロール血症に有用な機能性を有しており,その作用機序の一因として大麦若葉末由来の食物繊維が胆汁酸吸着能に関与する可能性が示された.