米を原料とした加工の異なる米菓と炊飯米を対象とし,アミラーゼを用いた人工消化試験による生成糖量を測定した.米菓両群は反応5分後から反応終了60分まで炊飯米と比較して有意に生成糖量が増加した.次に間食を想定した炭水化物量を被験者に摂取させ,食後血糖値の変化から消化速度を比較した.米菓両群は炊飯米と比較して,食後15分と30分で有意に血糖値が上昇した.RVA曲線の最終粘度から,米菓両群の製品は炊飯米と比較して低い値を示し,蒸練工程によりデンプンの低分子化が生じたと推察した.米菓は焼成工程により大小様々な空隙の形成が電子顕微鏡写真により観察され,米菓両群の比容積は炊飯米と比較して有意に高い値であった.これらのことから米菓製造工程でデンプンの低分子化および空隙が形成されるために,デンプンの消化速度が速くなったと示唆される.