もち米加工品におけるうるち米の混入を検知するDNAマーカーについて研究を行った.もち米はその品種により Wx 遺伝子に23bpの重複変異配列か7764bpの挿入変異配列を持つことから,もち米とうるち米を識別するプライマーをそれぞれのもち米の変異配列ごとに設計した.次にもち米とうるち米との混合試料を作製し,検知可能なうるち米量を調査した. Wx 遺伝子に23 bpの重複変異配列を持つもち米とうるち米を用いた場合には,うるち米の混入率が2.5%以上の場合,検知率は100%であった. Wx 遺伝子に7764bpの挿入変異配列を持つもち米とうるち米を用いた場合,うるち米の混入率が1.0%以上の場合,検知率は100%であった.市販の製品を分析したところ,これらの抽出DNAからDNAマーカーが増幅された.これらのことから本研究のDNAマーカーは,もち米加工品の原材料もち米の変異が1種類の場合においてうるち米の混入の確認に有用であると考えられ,さらに市販のもち米加工品を分析し,市販品にも適用できることが確認された.