火入れ時の熱風温度や火入れ時間の違いが混合発酵茶の官能検査,芳香および加熱香気成分に及ぼす影響を検討した.混合発酵茶に含まれる主要な芳香香気成分の含量は,火入れを行っても変化しなかった.一方,下級茶葉に多く含まれ好ましくない香り成分の一つである( E , E )-2,4-heptadienal の含量は,火入れにより減少した.加熱香気成分の含量は,熱風温度が高く,火入れ時間が長くなるにつれて増加した.混合発酵茶は火入れ香がつきにくい三番茶葉を使用しているが,緑茶一番茶と同程度の熱風温度,火入れ時間でも十分に加熱香気成分が生成されることが明らかとなった.