本研究では,サケの鼻軟骨から経口摂取可能なPG含有微粉末(PGNP)を調製し,各種溶媒を用いて抽出したPGの収量とカラムクロマトグラフィー溶出パターンの比較を行った.それぞれのウロン酸およびタンパク質の収量は抽出溶媒によって異なり,水抽出では従来の酢酸抽出と同程度の収量でPGが得られることが分かった.また,各PG粗精製物をイオン交換クロマトグラフィーに供したところ,すべての試料において同じ塩濃度でPGの溶出が認められ,これらが軟骨から従来の酢酸抽出で得られたPGと電荷的に等しいものであることが示された.各PG粗精製物の分子量分布からは,有機酸抽出で得られたPGの分子量が低化したことが示唆され,水抽出で得られたPGにおいては,従来の酢酸抽出のものよりも高分子量の割合が高く,天然型のPGに近いものであると推定された.