イチゴジャムおよびブルーベリージャムとその加工前の果実を凍結乾燥してから,有機溶媒の可溶性(極性) の違いを利用して分画した.そのうちジャムの脂溶性画分である「③エーテル可溶画分」に,pol λ 阻害活性とマウス耳抗炎症活性を見出した.pol λ は修復・組換え型のpol分子種であるが,pol λ 阻害活性と抗炎症活性には,正の相関が見られた.一方で,イチゴ果実およびブルーベリー果実の画分③は,pol λ 阻害活性とマウス耳抗炎症活性を示さなかったので,果実をジャムへ加工する工程で生じる成分(もしくは修飾を受ける成分) が活性本体であると考えられる.本研究により,ジャムは加工前の果実よりも優れた抗炎症作用を有する可能性が示唆され,健康機能性という付加価値を提唱することができた.