調味料として加熱調理に用いられることの多い味噌について,家庭で使われる調理器具を用いて味噌汁を調理した後に,静置(保温)と温め直しを繰り返す条件でフランの挙動を調べた.通常の鍋で加熱調理後に静置と温め直しを繰り返した場合にはフラン量の変化が小さかったが,より気密性と保温性が高い保温調理器を用いて保温と温め直しを繰り返すと味噌汁中のフラン量が直線的に増加した.今回,家庭での調理と類似した条件において味噌汁中のフラン量が増加して,未加熱食材に含まれるフラン量の二倍を越える場合があることを確認した.