白樫のliquid smokeから抗酸化性物質を製取する目的で実験を行なった。 (1) liquid smokeから140℃を境に蒸留分別したwood tarはwood vinegarよりも抗酸化力がはるかに大であった。 (2) wood tarからの各種有機溶剤に可溶な物質について,それぞれの抗酸化力を検したところ,四塩化炭素可溶物がもっともすぐれていた。 (3) 四塩化炭素可溶物を石油エーテル,そして,メタノールと順次処理することにより,さらに強力な抗酸化力を有する画分となし得た。この物質はフェノール反応が陽性であり,しかも,くん製品特有の臭気をもっていた。