1年半にわたり,全国12工場,81点のしょうゆこうじについて,ペントサンの消長を中心に分析し,つぎのような結果を得た。 1. 出こうじの全ペントサンは,夏は多く,冬に少ない。 2. 出こうじの溶けている状態のペントサンの量は,夏多く,冬少ない。したがって,もろみ熟成中の管理が一定ならば,夏仕込みのほうが色は濃くなるものと考えられる。 3. 出こうじの水に溶ける色は夏のほうが,いくぶん濃い。 4. 出こうじの窒素成分の溶けは,年間を通じて大きな波はないが,どちらかといえば,夏のほうが冬よりも高い。 5. 出こうじの水分には,春と秋に小さな山が見られる。