あらかじめペントサンの溶けを中心に調べておいたしょうゆこうじで,もろみを作り,38℃と30℃に2ヵ月おいたのち,着色ともろみの堅さと窒素の溶けを調べ,つぎのような結果を得た。 (1) ペントサンの溶けのよいこうじほど,もろみの熟成中に色が着く。 (2) 仕込みの条件と,熟成中の管理が一定ならば,夏仕込みのもろみのほうが,春秋や冬の仕込みのものより,色が着く。 (3) 不溶性ペントサンの多いこうじは,もろみを堅くする傾向がある。 (4) 夏仕込みのもろみは,春秋や冬の仕込みに比べて,同じ条件で仕込んだ場合,いくぶん堅くなる。 (5) もろみの窒素溶解率には,1年を通じて大きな波はない。 (6) 堅いもろみには,窒素溶解率を落とす傾向がうかがわれる。