変敗度の異なるサラダ油でマヨネーズを作り,マヨネーズの物理的性状,SH基の定量を行なった。その結果 (1) 変敗度の高いサラダ油で作成したマヨネーズほど粘度は高く,色調は淡くなり,食味は低下した。 (2) サラダ油の過酸化物価が13まではマヨネーズ中のSH量は僅少であるが,過酸化物価20以上になるとSH量は増加した。 (3) 未変敗サラダ油にBPO, LPOをそれぞれ0.01~0.05%添加し,作成したマヨネーズ中のSH量を求めると,添加量が多くなるに従いSH量は増加した。 (4) 変敗サラダ油(POV 287)を加熱しながら窒素ガスを吹込み,過酸化物を除去した油で作成したマヨネーズには,SH基はほとんど認めなかった。したがって,油脂中の過酸化物がSHを増加させる因子と考えられる。 (5) 変敗度の異なるサラダ油で作成したマヨネーズを室内に放置し,放置日数とSH,過酸化物の増減について調べてみると,SHは1~2日目まではわずかに増加するが,それ以後は減少し,過酸化物価は変敗度の高いマヨネーズほど増加が著しい。