(1) 含水アセトン,ついで冷水で予備処理した茶葉から熱30%塩化カルシウム液で澱粉を抽出し,ヨウ素複合体として茶葉澱粉を単離した(第1図)。収量は生葉に対し約1%。さらに,SCHOCH法によって茶葉澱粉のアミロース,アミロペクチンおよび中間部を分離した(第4図)。また,これら得られた茶葉澱粉,アミロース,アミロペクチン,中間部のヨウ素呈色液(20%過塩素酸溶液)の吸収スペクトルを測定し,それらの検量線を明らかにした(第2, 3, 6~11図)。結果は第3表のようである。 (2) 茶葉中の澱粉を定量するに当り,サンプリング,不純物除去,澱粉の抽出,澱粉の比色法などについて検討し,比較的簡便で精度もよいと思われる茶葉澱粉の微量定量法を案出した。また,その澱粉のアミロース,アミロペクチン,中間部の各区分をペーパークロマトグラフ法によって分別定量する方法も提案した。