落花生の品質変化判定の基準となる指標(化学的測定値)を得る目的で,官能審査とチオバルビッール酸試験,カルボニル試験,過酸化物価および遊離脂肪酸含量との相関を調べたところ (1) T.B.A.試験とカルボニル試験(D.P.H.法)は官能審査と相関がなく,指標となり得なかった。 (2) 過酸化物価(P.O.)は官能審査との間にr=-0.54~-0.58程度の相関を得たが,酸敗臭を感じても,P.O.の低いもの,逆にP.O.が高くても,酸敗臭を感じないものがあり,酸敗の指標として不十分であった。 (3) 遊離脂肪酸含量と落花生品質との間にはr=-0.75~-0.85程度のかなり密接な関係があった。 (4) 遊離脂肪酸の簡易測定法を設定し,この方法について試験した結果,常法との間にr=+0.98という高い相関があり,落花生品質の官能審査との間にr=-0.70とかなり高い相関があった。