大豆蛋白質よりチーズ状物質を調製することを目標とし,その第一段階の試験として,凍りどうふ粉末に各種蛋白分解酵素剤を混合,混ねつしそれらの遊離アミノ酸含量を測定し,市販プロセスチーズの遊離アミノ酸含量と比較考察した。その結果以下のような事実が明らかとなった。 (1) 凍りどうふ粉末に蛋白分解酵素剤を混合混ねつし,一定時間酵素作用を行なわせることにより,プロセスチーズと同程度の遊離アミノ酸含量の混ねつ物を調製できる。 (2) これらの混ねつ物は,かなりうま味のあるものもあるが,しばしば異味をともない,アミノ酸パターンもチーズとはいくらか異なる。 (3) さらに酵素の種類,使用方法を検討すれば,チーズ状食品,もしくは食品製造素材として利用できるものと考えられる。