イチゴAの分解退色を検討した結果 (1) 活性炭処理したイチゴ果汁のA分解能の増強はAsAの酸化によるDAsAの増加に基く。 (2) モデル実験においてDAsAはAsAと同じ程度のA分解能を有し,AsAの場合はこれが酸化されることが必要であるが,DAsAでは酸素を必要としない。 (3) 一般にα-ジケトン構造を有する化合物はA分解能を有することから,DAsAの作用はそのα-ジケトン構造による酸化分解と考えられる。 (4) SO2, NaBH4,ジオキシマレイン酸はAを還元退色してLを生ずるが,他のエンジオールレダクトン類はLを生ぜずAを酸化分解する。 (5) AsA-H2O2系ではA分解が著しく促進されるが,これは反応性に富む多量のAsA・が一時に生成集積してAを分解するためである。 (6) AsAによるA分解機構はAsA→AsA・→DAsAの過程で生ずるAsA・とDAsAの2因子が主体となって働く酸化分解である。