摘採後の茶葉5, 15, 25℃下で貯蔵した場合の,茶葉の呼吸と茶葉成分の変化を検討した。 (1) 茶葉の呼吸量は5℃に48~72時間貯蔵したものは,摘採直後よりも増加するが,その後は次第に減少し,192時間目には始めの70%程度となった。15℃貯蔵では96時間目に始めの70%程度に0また25℃貯蔵では摘採後48時間目に60%程度に減少した。 茶葉の呼吸商は,5℃貯蔵では始め0.97あったものが192時間目に0.90となった。15, 25℃貯蔵では48時間目には0.83に低下した。 (2) 茶葉の炭水化物は,5℃で貯蔵96時間目が残存率76.5%, 216時間目は62.5%であったが,15, 25℃貯蔵では48時間目,96時間目に50%前後と残存率は低下していた。 (3) 茶葉の窒素成分の変化をみると,5℃で貯蔵192時間目まで蛋白質の加水分解に伴う可溶性窒素の増加が,25℃貯蔵に比較してわずかであった。貯蔵72時間目で5, 15, 25℃の貯蔵葉中の各窒素成分を比較してみると,5℃では摘採後とあまり変らなかったが,1℃ではアミド,アミノ態-窒素の増加が目立ち,25℃ではアミド,アミノ態窒素の増加とともにアンモニヤ態窒素の増加も著しかった。 (4) クロロフィル量は5℃貯蔵ではその減少はわずかであった。