CMC-Naについて食品添加物として使用される範囲内の濃度で粘度の測定法を検討し,さらにCMC-Naの希薄液の粘性について多少の考察を加えた。 CMC-Na(セロゲンF-SB)の濃度1g/lより20g/lまでの液についてウベローデ型粘度計および振動粘度計によって粘度を測定し,その結果を検討したところ,この実験に使用したCMC-Naでは7g/l付近までの濃度ではほぼニュートン性を示し,通常の粘度計によって粘度を測定することが可能であるが,それ以上の濃度では非ニュートン流動を示すことを知った。したがってCMC-Naを用いた液状食品であってもある一定の濃度以内で使用しているものであれば,通常の粘度計によって粘度を測定してさしつかえない。 つぎにCMC-Na液の粘性挙動からみて,この実験に使用したCMC-Naの7g/l以下の希薄液ではCMC-Naのエーテル化度や液中に共存するカチオンの種類や濃度がかなり影響を与えることが考えられ,実用上とくに注意を要すると思われる。