酸味料溶液(酢酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン酸)にMCを加えたときの粘性が,酸味料を含まないMC液の粘性とどのように異なるかを検討し,つぎのような結果を得た。 (1) 酸味料溶液にMC(試料としてメトローズSM400を使用)を加えても,その添加量にかかわらず(ただし20g/lまでの範囲で)酸味料の滴定酸度も液のpHも変らない。 (2) 酸味料を含むことによってMC液の還元粘度は低下する傾向を示すが,ある限界以下(この実験に用いたMCでは7g/lくらい)のMC濃度では粘性の低下はきわめて少ない。それ以上の濃度のMC液では粘性の低下がみられ,MC濃度が高いほど,またpHが低いほど粘性の低下が著しい。 (3) このような粘性の変動は酸味料に由来するpHに支配され,酸味料の種類や濃度とは無関係である。