白肉桃の冷蔵について,冷蔵温度を0~1℃に規制して果肉可食部のポリフェノール含量,ポリフェノールオキシダーゼ活性の変化を前報3)に続いて追試し,ロイコアントシアン含量,パーオキシダーゼ活性,アルコール不溶固形量,およびペクチン含量の変化を検討した。 (1) 果実が健全な状態を示すのは冷蔵15日目までである。 (2) ポリフェノール含量は採取直後冷蔵果では冷蔵中ぜん増し,追熟後冷蔵果では10~15日目まで減少する。 (3) ポリフェノールオキシダーゼ活性は追熟によって増加する。 (4) パーオキシダーゼ活性は10日目前後に最高となり,以後低下する。 (5) 採取直後冷蔵果では冷蔵20日目以後出庫追熟すると果肉が硬化し,このときのアルコール不溶固形量は多く,水溶性ペクチン量は比較的少ない。 以上の結果から,白肉桃は温度に対して比較的影響を受けやすい果実であり,冷蔵10~15日目に生理機能の転換が現われ,以後品質が低下すると考えられる。