アルギン酸ナトリウムのゼリー形成能について検討し,つぎの知見を得た。 (1) 反応液については,A, Bともほぼ同一性状のゼリーを形成するが反復使用する場合にはBのほうがよい。 (2) 反応液中のCa+2の量は60~70mgぐらいの場合に好適なゼリーが得られる。したがって反応液の濃度はAについては0.8%, Bについては0.6%付近が適当である。 (3) Na-Algの濃度は1.5~2.0%,重合度は1%溶液の粘度250~350cpを示すものがよい。 (4) Ca-Algの生成量が少なければゼリーは軟弱でキレツが発生し,食感および保形性は悪く,またCa-Algの生成量が多ければ保形性は良いがゼリーは硬くなり食感を不良にする。好適なゼリーを得るにはCa-Alg量は40~50%がよい。 (5) 反応時間はAについては8~10分,Bについては12~14分が適当である。 (6) Ca+2の置換量はNa-Algの濃度,重合度,反応時間,温度,反応液中のCa+2濃度により影響される。