バートレット種洋梨の追熟について予冷処理の影響を検討し,あわせて長期貯蔵を目的とした冷蔵中の果実成分の変化を調べた。 (1) ポリフェノールオキシダーゼは予冷14日まで抑制されるが追熟すると各区とも急激に増加する。 (2) ペクチン含量は追熟によって水溶性区分は一時増加したのち減少するが,予冷区はその含量が多く予冷14日区はその後の減少率が小さい。塩酸可溶区分は一様に減少した。 (3) 澱粉含量は予冷中でも減少し,追熟によってほとんど消失した。 (4) 冷蔵中の成分変化について糖含量はぜん次増加し酸含量は42日以後減少した。また冷蔵温度が3℃ではポリフェノールオキシダーゼ活性は冷蔵中増加する。 (5) 冷蔵果を追熟すると酸含量は増加するが,冷蔵が長期にわたると逆に減少した。 以上の結果から収穫後すみやかに0~1℃にて予冷することは洋梨果実の品質保持のため有効であり,また温度管理を厳密に行なえば長期貯蔵も可能と考える。