千葉県産ラッカセイの完熟粒を使用し,種々の温湿度の組合やせを作って貯蔵試験を行ない,官能審査と脂肪酸度とを指標として,貯蔵中の品質変化を調査した結果,つぎのことがわかった。 (1) 常温で貯蔵する場合には子実の水分を6.5~8%とし,相対湿度68%以下でさや実貯蔵することがよく,相対湿度73%以上では品質が悪化する。 (2) 温度10~15℃の低温では,子実の水分を6.5~8.5%とし,相対湿度56~69%に維持し,むき実貯蔵することは品質保持の点からも有効であり,かつ経済的にもっともすぐれている。 (3) 温度3~5℃では相対湿度60~70%,子実の水分9.5%以下の場合に品質がすぐれている。しかし相対湿度73%以上では品質が低下する。 (4) 収穫,調製する際の子実の品質,および水分が貯蔵中のラッカセイの品質に及ぼす影響が大きく,本県の気象条件では湿度が高いために人工乾燥および防湿することが肝要である。